これまでの章は、一行に並べて書かれる文字と記号を扱ってきた。この章は平面に書かれるものを扱う。交わる円、曲線、棒、矢印、線で結ばれた点である。図は左から右へ読むものではない。目で、一度に全体を、あるいは好きな順番で読むものである。

パースによれば、図は数学でもっとも強力な記号である。それは関係のイコンだからだ。図の形が、表すものの形を繰り返している。二つの入れ子の円は、一方の集合が他方に含まれると言うのではなく、それを見せる。だから良い図は結論をひとりでに浮かび上がらせる。同じ理由で、悪い図は誤った結論を浮かび上がらせる。グラフの目盛り、比率のおかしい図形、まっすぐに見える線は、理性が確かめる前に目を説得してしまう。

この章の文章

  1. オイラーの円とヴェン図
  2. オレームから関数のグラフへ:変化する性質を描く
  3. 命を救ったグラフ:プレイフェア、スノウ、ナイチンゲール、ミナール
  4. グラフの目盛り:絵が嘘をつくとき
  5. アルガン平面:居場所を見つけた虚数
  6. グラフと地図:何が何とつながっているかだけを見る図
  7. 言葉のない証明
  8. 四次元:見えないものを描く
  9. 図の読み方:手引きと用語集
  10. 参考文献と図版出典