1788 年、ラグランジュはニュートンの力学を、どんな座標でも成り立つ方程式の体系に変えた。ハミルトンはこの本を賞賛し、「一種の科学的な詩」と呼んだ。1834 年と 1835 年、二つの論文『動力学の一般的方法について』で、彼はこの考えをさらに推し進め、光線から学んだことを力学に持ち込んだ。

位置と運動量

ラグランジュは系を位置 $q$ と速度 $\dot q$ で記述した。ハミルトンは速度を運動量 $p$(単純な粒子なら質量掛ける速度、$p = m\dot q$)に置きかえ、すべての中心にただ一つの関数、ハミルトニアン $H(q, p)$ を置いた。たいていの場合それは全エネルギー、つまり運動エネルギーと位置エネルギーの和である。

$$H = T + V.$$

運動全体は、ほぼ完全な対称性をもつ二つの方程式から出てくる。

$$\frac{dq}{dt} = \frac{\partial H}{\partial p}, \qquad \frac{dp}{dt} = -\frac{\partial H}{\partial q}.$$

ばね

ばね定数 $k$ のばねにつながれた質量 $m$ について、

$$H = \frac{p^2}{2m} + \frac{k q^2}{2}.$$

ハミルトンの方程式は次を与える。

$$\frac{dq}{dt} = \frac{p}{m}, \qquad \frac{dp}{dt} = -kq.$$

一つ目は、運動量が質量掛ける速度だと言っている。二つ目はフックの法則、ばねの力である。二つを合わせると $m\ddot q = -kq$、おなじみの振動になる。そして $\frac{dH}{dt} = \frac{\partial H}{\partial q}\frac{dq}{dt} + \frac{\partial H}{\partial p}\frac{dp}{dt} = \frac{\partial H}{\partial q}\frac{\partial H}{\partial p} - \frac{\partial H}{\partial p}\frac{\partial H}{\partial q} = 0$ なので、エネルギーは自動的に保存される。

相空間

ハミルトンのかたちの大きな利点は幾何的なものである。ある瞬間の系の状態は一つの点 $(q, p)$ であり、方程式はその点がどこへ動くかを告げる。$H$ は変わらないので、点はいつも同じ等高線 $H(q, p) = \text{一定}$ の上を動く。ありうるすべての運動を理解するには、二変数関数の等高線を描けばよい。

振り子では、話を簡単にする単位を選ぶと、$q$ は角度で、$H = \frac{p^2}{2} - \cos q$ である。エネルギーを変えて、振り子を放してみよう。

エネルギーが小さいと、曲線は閉じた楕円形で、振り子は行ったり来たりする。エネルギーが大きいと曲線は開き、振り子はぐるぐる回る。そのあいだに特別な曲線、セパラトリクスがあり、その上では振り子は最高点に着くまでに無限の時間がかかる。

練習:自由落下

高さ $q$ にある質量 $m$ の石は $H = \frac{p^2}{2m} + mgq$ をもつ。ハミルトンの方程式を書き、静止状態から落とした石について解け。

$\frac{dq}{dt} = \frac{p}{m}$、$\frac{dp}{dt} = -mg$ である。二つ目から $p = -mgt$、一つ目から $\frac{dq}{dt} = -gt$、つまり $q = q_0 - \frac{g t^2}{2}$ となる。ガリレオの落体である。

練習:振り子の振幅

$H = \frac{p^2}{2} - \cos q$ のとき、$H = 0$ なら振り子の最大の角 $a$ はいくらか。$H = -\frac12$ ならどうか。

振れのいちばん高いところで振り子は止まり、$p = 0$ なので $-\cos a = H$ である。$H = 0$ なら $\cos a = 0$ で $a = 90°$。$H = -\frac12$ なら $\cos a = \frac12$ で $a = 60°$。動く図で確かめてみよう。

出典: William Rowan Hamilton, “On a General Method in Dynamics”, Philosophical Transactions(1834)および “Second Essay on a General Method in Dynamics”(1835)· Thomas L. Hankins, Sir William Rowan Hamilton(1980)· Cornelius Lanczos, The Variational Principles of Mechanics(1949)。


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