出典: ITA ――第1次試験の問題 と公式の正答。ファイルは ITA の過去問ページにある。

ITA 2024 の第1次試験は選択式60問で、各科目12問(物理、ポルトガル語、英語、数学、化学) であった。本稿では数学の問題を、試験と同じ37番から48番の番号で扱う。

試験の記法。 $\mathbb{N} = \{1, 2, 3, \dots\}$;$A - B$ は集合 $A$ と $B$ の差;$i^2 = -1$; $M_n(\mathbb{R})$ は実数成分の $n \times n$ 行列全体;$\overline{AB}$ は線分、$AB$ は $A$ と $B$ を 通る直線;$m(\overline{AB})$ は $\overline{AB}$ の長さ;$A\hat{B}C$ は頂点 $B$ の角;$\det A$ は $A$ の行列式、$A^T$ は転置行列。

正答一覧

問題 内容 正答
37 集合の演算 B
38 行列の連立方程式 E
39 逆正接と2倍角 A
40 数え上げ:鳩の巣原理 B
41 多項式:120個の多項式の根の和 D
42 等比数列をなす根 C
43 円柱と等比数列 E
44 多面体:オイラーの関係式 D
45 平面図形:四角形の面積 C
46 複素数:$a^m = b^m$ D
47 座標幾何:外角の二等分線 A
48 円を含む楕円 C

問題 37:集合の3つの等式

問題文

$A, B, C \subseteq \mathbb{R}$、$C \subseteq A$ とする。次の命題を考える。

  • I. $(A \cap B) \cup C = A \cap (B \cup C)$。
  • II. $A \cap B = C \cup (B \cap (\mathbb{R} - C))$。
  • III. $A \cap (B - C) = (A \cap B) - C$。

正しいものは:

  • A) I と II のみ。
  • B) I と III のみ。
  • C) II のみ。
  • D) III のみ。
  • E) I、II、III。

解答

I. 正しい。 分配法則より $A \cap (B \cup C) = (A \cap B) \cup (A \cap C)$。$C \subseteq A$ なので $A \cap C = C$ で、$(A \cap B) \cup C$ となる。

II. 誤り。 右辺は $C \cup (B - C) = B \cup C$。反例:$A = \mathbb{R}$、$B = \varnothing$、 $C = \{1\}$。このとき $A \cap B = \varnothing$ だが、$B \cup C = \{1\}$。

III. 正しい。 両辺とも「$A$ にも $B$ にも属し、$C$ には属さない要素」の集合 $A \cap B \cap (\mathbb{R} - C)$ である。(これは $C \subseteq A$ という仮定がなくても成り立つ。)

答え: B(I と III のみ)。

復習は集合の演算を参照。

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問題 38:未知数が行列の連立方程式

問題文

$A, B, C, D \in M_n(\mathbb{R})$ とする。変数 $X, Y \in M_n(\mathbb{R})$ の連立一次方程式

$$\begin{cases} AX = B \\ DX + Y = C \end{cases}$$

を考える。次の命題を考える。

  • I. $\det A = 0$ または $\det D = 0$ ならば、この連立方程式は解をもたない。
  • II. $A = B$ ならば、この連立方程式はただ1つの解をもつ。
  • III. この連立方程式がただ1つの解をもつのは、$A$ と $D$ が正則な場合に限る。

正しいものは:

  • A) I のみ。
  • B) II のみ。
  • C) III のみ。
  • D) II と III のみ。
  • E) どれも正しくない。

解答

要点:第2式はつねに $Y = C - DX$ を定める。よって連立方程式の解の個数は方程式 $AX = B$ の解の個数と同じである。

I. 誤り。 $A = I$(正則)、$D = 0$($\det D = 0$)とすると、解 $X = B$、$Y = C$ が存在する。

II. 誤り。 $A = B = 0$ なら、$AX = B$ はすべての $X$ で成り立つ:解は無数にある。

III. 誤り。 一意性は $A$ が正則かどうかだけで決まり、$D$ は何でもよい。たとえば $A = I$、 $D = 0$ なら解はただ1つ $X = B$、$Y = C$ である。

答え: E(どれも正しくない)。

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問題 39:2·arctan(4/3) の余弦と正弦

問題文

次の値を求めよ。

$$\cos\left(2\arctan\left(\frac{4}{3}\right)\right) + \sin\left(2\arctan\left(\frac{4}{3}\right)\right)$$
  • A) $\frac{17}{25}$。
  • B) $\frac{4}{5}$。
  • C) $\frac{24}{25}$。
  • D) $\frac{28}{25}$。
  • E) $\frac{31}{25}$。

解答

$\theta = \arctan\frac{4}{3}$ とおく。$\tan\theta = \frac{4}{3}$ の鋭角である。3-4-5 の直角三角形から $\sin\theta = \frac{4}{5}$、$\cos\theta = \frac{3}{5}$。

$$\cos 2\theta = \cos^2\theta - \sin^2\theta = \frac{9 - 16}{25} = -\frac{7}{25}, \qquad \sin 2\theta = 2\cdot\frac{4}{5}\cdot\frac{3}{5} = \frac{24}{25}$$$$\cos 2\theta + \sin 2\theta = \frac{-7 + 24}{25} = \frac{17}{25}$$

答え: A($\frac{17}{25}$)。

ひっかけに注意: $\cos 2\theta$ の符号($2\theta > 90^\circ$ なので負)を忘れると $\frac{31}{25}$、すなわち E になる。

復習は2倍角・3倍角の正弦・余弦・正接を参照。

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問題 40:積が256になる組を保証する

問題文

集合

$$A = \{1, 2, 4, 8, 16, 32, 64, 128, 256\}$$

を考える。$A$ の $n$ 個の要素からなるどの部分集合も、積が256になる組を少なくとも1つ含むような 最小の $n \in \mathbb{N}$ はいくつか。

  • A) $n = 5$。
  • B) $n = 6$。
  • C) $n = 7$。
  • D) $n = 8$。
  • E) $n = 9$。

解答

1. 指数。 要素は $2^0, 2^1, \dots, 2^8$ で、$a + b = 8$ のとき $2^a \cdot 2^b = 256 = 2^8$。 異なる要素の組は

$$\{1, 256\}, \quad \{2, 128\}, \quad \{4, 64\}, \quad \{8, 32\}$$

で、16 は1つだけ残る($16 \cdot 16 = 256$ だが同じ要素である)。

2. 組を含まない最大の部分集合。 各組から1つずつと 16 をとれる:たとえば $\{1, 2, 4, 8, 16\}$ は5要素で、積が256の組はない。

3. 鳩の巣原理。 6要素なら、16 を除いても少なくとも5要素が残り、それが4つの組にしか 入らない。2つが同じ組に入り、その積は256になる。

答え: B($n = 6$)。

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問題 41:すべての多項式の根の和

問題文

集合 $C = \{1, 2, 3, 4, 5\}$ を考える。互いに異なる $a_0, a_1, a_2, a_3, a_4 \in C$ の選び方の それぞれについて、多項式

$$a_0 + a_1 x + a_2 x^2 + a_3 x^3 + a_4 x^4$$

をつくる。こうしてできるすべての多項式の根(重複度を込めて数える)の和は:

  • A) $-\frac{17125}{4}$。
  • B) $-1800$。
  • C) $-360$。
  • D) $-\frac{351}{2}$。
  • E) $-\frac{101}{4}$。

解答

1. 1つの多項式。 多項式は $5! = 120$ 個あり、すべて4次である。解と係数の関係より、 それぞれの根の和は $-\dfrac{a_3}{a_4}$。

2. まとめる。 $-\frac{a_3}{a_4}$ は異なる要素の順序対 $(a_3, a_4)$ だけで決まり、各順序対は $3! = 6$ 個の多項式に現れる($a_0, a_1, a_2$ の並べ方)。よって

$$S = -6\sum_{a_3 \ne a_4}\frac{a_3}{a_4}$$

3. 二重和。 $a_4$ を固定すると $a_3$ は残りの4要素を動き、その和は $15 - a_4$:

$$\sum_{a_3 \ne a_4}\frac{a_3}{a_4} = \sum_{a_4 = 1}^{5}\frac{15 - a_4}{a_4} = 15\left(1 + \frac{1}{2} + \frac{1}{3} + \frac{1}{4} + \frac{1}{5}\right) - 5 = 15\cdot\frac{137}{60} - 5 = \frac{137}{4} - 5 = \frac{117}{4}$$

4. 合計。

$$S = -6\cdot\frac{117}{4} = -\frac{351}{2}$$

(120個の順列について $-a_3/a_4$ を足し上げ、コンピュータで確認した。)

答え: D($-\frac{351}{2}$)。

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問題 42:等比数列をなす根

問題文

多項式 $p(x) = x^3 + 3x^2 - 6x + k$ の根が等比数列をなすような $k \in \mathbb{R}$ の値は:

  • A) $-18$。
  • B) $-16$。
  • C) $-8$。
  • D) $-2$。
  • E) $-1$。

解答

1. 等比数列をなす根。 根を $\frac{a}{q}$、$a$、$aq$ と書く。解と係数の関係より

$$a\left(\frac{1}{q} + 1 + q\right) = -3, \qquad a^2\left(\frac{1}{q} + 1 + q\right) = -6, \qquad a^3 = -k$$

2. 第2式を第1式で割る: $a = 2$。よって $k = -a^3 = -8$。

確認: $p(x) = x^3 + 3x^2 - 6x - 8 = (x - 2)(x^2 + 5x + 4) = (x - 2)(x + 1)(x + 4)$。 根 $-1$、$2$、$-4$ は公比 $-2$ の等比数列をなす ✔

答え: C($-8$)。

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問題 43:底面積・側面積・体積が等比数列

問題文

直円柱で、底面積 $A_1$、側面積 $A_2$、体積 $A_3$ がこの順に増加する等比数列をなす。底面の半径が 含まれうる区間は:

  • A) $\left(1, \frac{5}{4}\right)$。
  • B) $\left(\frac{5}{4}, \frac{3}{2}\right)$。
  • C) $\left(\frac{3}{2}, \frac{7}{4}\right)$。
  • D) $\left(\frac{7}{4}, 2\right)$。
  • E) $\left(2, \frac{5}{2}\right)$。

解答

半径を $r$、高さを $h$ とすると $A_1 = \pi r^2$、$A_2 = 2\pi r h$、$A_3 = \pi r^2 h$。

1. 等比数列の条件。 $A_2^2 = A_1 A_3$:

$$4\pi^2 r^2 h^2 = \pi^2 r^4 h \quad\Rightarrow\quad h = \frac{r^2}{4}$$

2. 公比。 $q = \frac{A_2}{A_1} = \frac{2h}{r} = \frac{r}{2}$($\frac{A_3}{A_2} = \frac{r}{2}$ も同じ ✔)。 正の項からなる増加等比数列には $q > 1$ が必要:

$$\frac{r}{2} > 1 \quad\Rightarrow\quad r > 2$$

$r > 2$ ならどれでもよい($h = \frac{r^2}{4}$ とする)。選択肢のうち $r > 2$ に収まるのは区間 $\left(2, \frac{5}{2}\right)$ だけである。

答え: E。

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問題 44:頂点24、辺36の多面体

問題文

凸多面体の頂点は24、辺は36である。各頂点には3つの面が集まり、各面の辺の数は $m$ か $n$ の2つの値のどちらかしかとらない。正しいのは:

  • A) $m = 3$、$n = 4$ でありうる。
  • B) $m = 3$、$n = 5$ でありうる。
  • C) $m = 3$、$n = 7$ でありうる。
  • D) $m = 3$、$n = 8$ でありうる。
  • E) $m = 4$、$n = 5$ でありうる。

解答

1. 面の数。 オイラーの関係式:$V - E + F = 2 \Rightarrow F = 2 - 24 + 36 = 14$。

2. 面から辺を数える。 $m$ 角形の面が $x$ 個、$n$ 角形の面が $y$ 個あるとすると、各辺は 2つの面に数えられるので

$$x + y = 14, \qquad mx + ny = 2\cdot 36 = 72$$

3. 調べる。

$(m, n)$ $y$ の方程式 $y$ 可能か
$(3, 4)$ $42 + y = 72$ $30$ 不可($y > 14$)
$(3, 5)$ $42 + 2y = 72$ $15$ 不可($y > 14$)
$(3, 7)$ $42 + 4y = 72$ $7.5$ 不可
$(3, 8)$ $42 + 5y = 72$ $6$ 可能:三角形8つと八角形6つ
$(4, 5)$ $56 + y = 72$ $16$ 不可($y > 14$)

$(3, 8)$ は実際に存在する:切頂六面体(立方体の8つの角を切り落とした立体)である。 三角形の面8つ、八角形の面6つ、頂点24、辺36をもち、各頂点に3つの面が集まる。

答え: D。

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問題 45:四角形 APMS の面積

問題文

三角形 $ABC$ と辺 $\overline{BC}$ の中点 $M$ を考える。直線 $AB$ 上に $m(\overline{AB}) = m(\overline{BR})$ となる点 $R \ne A$ を、直線 $AC$ 上に $m(\overline{AC}) = 2\,m(\overline{CQ})$ で線分 $\overline{AC}$ 上に ない点 $Q$ をとる。直線 $RM$ は辺 $\overline{AC}$ と点 $S$ で、直線 $QM$ は辺 $\overline{AB}$ と点 $P$ で交わる。三角形 $ABC$ の面積が24のとき、四角形 $APMS$ の面積は:

  • A) 15。
  • B) 16。
  • C) 17。
  • D) 18。
  • E) 19。

解答

1. $A$ を始点とするベクトル。 $A$ を原点におき、$\vec{b} = \overrightarrow{AB}$、 $\vec{c} = \overrightarrow{AC}$ とする。すると

  • $R$ は $B$ に関する $A$ の対称点:$R = 2\vec{b}$;
  • $Q$ は $C$ の先に $AC$ の半分だけ進んだ点:$Q = \frac{3}{2}\vec{c}$;
  • $M = \frac{1}{2}(\vec{b} + \vec{c})$。

2. 点 $S$。 直線 $RM$ 上の点は $2\vec{b} + t\left(M - R\right) = \left(2 - \frac{3t}{2}\right)\vec{b} + \frac{t}{2}\vec{c}$。 $\vec{b}$ の係数が0のとき直線 $AC$ 上にある:$t = \frac{4}{3}$、$S = \frac{2}{3}\vec{c}$。

3. 点 $P$。 直線 $QM$ 上の点は $\frac{3}{2}\vec{c} + s\left(M - Q\right) = \frac{s}{2}\vec{b} + \left(\frac{3}{2} - s\right)\vec{c}$。 $s = \frac{3}{2}$ のとき $AB$ 上にあり、$P = \frac{3}{4}\vec{b}$。

4. 2つの三角形に分ける。 対角線 $AM$ で $APMS$ を分ける。中線は面積を二等分するので $S_{ABM} = S_{AMC} = 12$:

  • $S_{APM} = \frac{AP}{AB}\cdot S_{ABM} = \frac{3}{4}\cdot 12 = 9$;
  • $S_{AMS} = \frac{AS}{AC}\cdot S_{AMC} = \frac{2}{3}\cdot 12 = 8$。
$$S_{APMS} = 9 + 8 = 17$$

外積(靴ひも)公式で確認: 面積は $\frac{1}{2}\left|P \times M + M \times S\right| = \frac{1}{2}\left(\frac{3}{8} + \frac{1}{3}\right)|\vec{b} \times \vec{c}| = \frac{17}{48}\cdot 48 = 17$ ✔($|\vec{b} \times \vec{c}| = 2\cdot 24$)。

答え: C(17)。

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問題 46:aᵐ = bᵐ となるのはいつか

問題文

複素数 $a = 1 + 3\sqrt{3}\,i$、$b = 2\sqrt{3} + 4i$ とする。$a^m = b^m$ となる最小の $m \in \mathbb{N}$ は:

  • A) 6。
  • B) 8。
  • C) 10。
  • D) 12。
  • E) この等式を満たす $m \in \mathbb{N}$ は存在しない。

解答

1. 絶対値が等しい。 $|a|^2 = 1 + 27 = 28$、$|b|^2 = 12 + 16 = 28$。

2. 商。 $a^m = b^m \iff \left(\frac{a}{b}\right)^m = 1$。計算すると

$$\frac{a}{b} = \frac{(1 + 3\sqrt{3}\,i)(2\sqrt{3} - 4i)}{28} = \frac{2\sqrt{3} - 4i + 18i + 12\sqrt{3}}{28} = \frac{14\sqrt{3} + 14i}{28} = \frac{\sqrt{3}}{2} + \frac{1}{2}i = \operatorname{cis}\frac{\pi}{6}$$

3. 最小のべき。 $\operatorname{cis}\frac{m\pi}{6} = 1 \iff \frac{m\pi}{6}$ が $2\pi$ の倍数 $\iff m$ が12の倍数。 最小は $m = 12$。

答え: D(12)。

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問題 47:B を通り二等分線に垂直な直線

問題文

頂点 $A = (0, 0)$、$B = (\sqrt{2}, \sqrt{3})$、$C = \left(\frac{5}{2}\sqrt{2}, 0\right)$ の三角形を考える。 $B$ を通り、角 $A\hat{B}C$ の二等分線に垂直な直線の方程式は:

  • A) $y = (5 - 2\sqrt{6})x + 5\sqrt{3} - 5\sqrt{2}$。
  • B) $y = (5 + 2\sqrt{6})x - 3\sqrt{3} - 5\sqrt{2}$。
  • C) $y = (5 - \sqrt{6})x + 3\sqrt{3} - 5\sqrt{2}$。
  • D) $y = -(5 + 2\sqrt{6})x + 5\sqrt{3} + 5\sqrt{2}$。
  • E) $y = (-5 + 2\sqrt{6})x - 3\sqrt{3} + 5\sqrt{2}$。

解答

$B$ を通り内角の二等分線に垂直な直線は、$B$ における外角の二等分線である。$\vec{u}$、$\vec{v}$ を $B$ から $A$、$B$ から $C$ へ向かう単位ベクトルとすると、内角の二等分線の向きは $\vec{u} + \vec{v}$、 外角の二等分線の向きは $\vec{u} - \vec{v}$ である($|\vec{u}| = |\vec{v}|$ なので互いに垂直)。

1. 単位ベクトル。

  • $\overrightarrow{BA} = (-\sqrt{2}, -\sqrt{3})$、長さ $\sqrt{5}$:$\vec{u} = \frac{1}{\sqrt{5}}(-\sqrt{2}, -\sqrt{3})$。
  • $\overrightarrow{BC} = \left(\frac{3\sqrt{2}}{2}, -\sqrt{3}\right)$、長さ $\sqrt{\frac{9}{2} + 3} = \sqrt{\frac{15}{2}}$:$\vec{v} = \frac{1}{\sqrt{15}}(3, -\sqrt{6})$。

2. 外角の二等分線の向き。 $\vec{u} - \vec{v}$ に $\sqrt{15}$ を掛けると

$$\sqrt{15}(\vec{u} - \vec{v}) = (-\sqrt{6}, -3) - (3, -\sqrt{6}) = (-3 - \sqrt{6},\ \sqrt{6} - 3)$$

3. 傾き。

$$m = \frac{\sqrt{6} - 3}{-(3 + \sqrt{6})} = \frac{3 - \sqrt{6}}{3 + \sqrt{6}} = \frac{(3 - \sqrt{6})^2}{9 - 6} = \frac{15 - 6\sqrt{6}}{3} = 5 - 2\sqrt{6}$$

4. $B$ を通る直線。

$$y = (5 - 2\sqrt{6})(x - \sqrt{2}) + \sqrt{3} = (5 - 2\sqrt{6})x - 5\sqrt{2} + 2\sqrt{12} + \sqrt{3} = (5 - 2\sqrt{6})x + 5\sqrt{3} - 5\sqrt{2}$$

($2\sqrt{6}\cdot\sqrt{2} = 2\sqrt{12} = 4\sqrt{3}$ を使った。)

確認: コンピュータで、$\vec{u} - \vec{v}$ と $\vec{u} + \vec{v}$ の内積は0、傾きは $\approx 0.101 = 5 - 2\sqrt{6}$ ✔

答え: A。

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問題 48:円を含むいちばん細長い楕円

問題文

方程式

$$\lambda x^2 + (\lambda + 4)y^2 - 4\lambda x - (10\lambda + 40)y + 25(\lambda + 4) - \lambda^2 = 0$$

で与えられる楕円と、方程式

$$x^2 + y^2 - 4x - 12y + 36 = 0$$

の円を考える。円の内部が楕円の内部に完全に含まれるとき、楕円の離心率が最大になる $\lambda \in \mathbb{R} - \{-4, 0\}$ の値は:

  • A) 3。
  • B) 5。
  • C) 9。
  • D) 13。
  • E) 15。

解答

1. 楕円の標準形。 平方完成($x^2 - 4x = (x - 2)^2 - 4$、$y^2 - 10y = (y - 5)^2 - 25$)すると

$$\lambda(x - 2)^2 + (\lambda + 4)(y - 5)^2 - 4\lambda - 25(\lambda + 4) + 25(\lambda + 4) - \lambda^2 = 0$$$$\lambda(x - 2)^2 + (\lambda + 4)(y - 5)^2 = \lambda(\lambda + 4) \quad\Rightarrow\quad \frac{(x - 2)^2}{\lambda + 4} + \frac{(y - 5)^2}{\lambda} = 1$$

$\lambda > 0$ で楕円になる:中心 $(2, 5)$、横の半軸 $\sqrt{\lambda + 4}$(長いほう)、縦の半軸 $\sqrt{\lambda}$。

2. 離心率。 $e^2 = 1 - \frac{\lambda}{\lambda + 4} = \frac{4}{\lambda + 4}$:離心率は $\lambda$ が小さいほど大きい。

3. 円。 $(x - 2)^2 + (y - 6)^2 = 4$:中心 $(2, 6)$、半径2。$y = 4$ から $y = 8$ まで広がる。

4. 含まれる条件。 円のいちばん高い点 $(2, 8)$ は楕円の上か内部になければならない:

$$\frac{(8 - 5)^2}{\lambda} \le 1 \quad\Rightarrow\quad \lambda \ge 9$$

$\lambda = 9$ のとき円全体が内部にある:円上の点は $(2 + 2\cos t,\ 6 + 2\sin t)$ で、 $s = \sin t$ とすると

$$\frac{4\cos^2 t}{13} + \frac{(1 + 2s)^2}{9} = \frac{4(1 - s^2)}{13} + \frac{(1 + 2s)^2}{9}$$

は $s \in [-1, 1]$ で増加し(導関数 $-\frac{8s}{13} + \frac{4 + 8s}{9}$ が0になるのは $s \approx -1.6$ だけ)、 $s = 1$ すなわち点 $(2, 8)$ で最大値1をとる。円はそこで楕円に内側から接する。よって最小の $\lambda$ は9である。

答え: C($\lambda = 9$)。

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