出典: ITA ――第1次試験の問題 と公式の正答。ファイルは ITA の過去問ページにある。

ITA 2025 の第1次試験は選択式48問で、数学12問、物理12問、化学12問、英語12問であった。 本稿では数学の問題を、試験と同じ1番から12番の番号で扱う。

試験の記法。 横軸と縦軸を $O_x$、$O_y$、原点を $O$ と書く;$\mathbb{N} = \{1, 2, 3, \dots\}$; $i^2 = -1$;$\overline{AB}$ は線分、$AB$ は $A$ と $B$ を通る直線。

正答一覧

問題 内容 正答
1 複素数:三角形 $1$、$z$、$z^2$ の面積 B
2 多面体:存在するか E
3 二項定理:定数項 C
4 関数:単射と全射 D
5 数列、等差数列と等比数列 D
6 パラメータを含む指数方程式 B
7 同値な連立一次方程式 A
8 三角関数の定義域 E
9 回転体 無効
10 2つの多項式の共通の根 D
11 焦点を共有する楕円と双曲線 A
12 約数の個数 C

問題 1:頂点 1、z、z² の三角形

問題文

$z = a + 2i$ を複素数とする($a \in \mathbb{R}$ は正)。ガウス平面上で $1$、$z$、$z^2$ を表す点が 面積200の三角形をつくるような $a$ の値は

  • A) 14。
  • B) 15。
  • C) 16。
  • D) 17。
  • E) 18。

解答

1. 3つの点。 $z^2 = (a + 2i)^2 = (a^2 - 4) + 4ai$。頂点は $(1, 0)$、$(a, 2)$、$(a^2 - 4, 4a)$。

2. 行列式で面積を求める。 $(1, 0)$ から出るベクトル $\vec{u} = (a - 1, 2)$、$\vec{v} = (a^2 - 5, 4a)$ で

$$S = \frac{1}{2}\left|(a - 1)\cdot 4a - 2(a^2 - 5)\right| = \frac{1}{2}\left|2a^2 - 4a + 10\right| = a^2 - 2a + 5$$

($a^2 - 2a + 5 = (a - 1)^2 + 4$ なので値はつねに正。)

3. 解く。 $a^2 - 2a + 5 = 200 \Rightarrow a^2 - 2a - 195 = 0 \Rightarrow a = \frac{2 \pm 28}{2}$。 $a > 0$ より $a = 15$。

確認: $(15 - 1)^2 + 4 = 196 + 4 = 200$ ✔

答え: B(15)。

正答一覧に戻る


問題 2:どの多面体が存在するか

問題文

次の命題を考える。

  • I. 三角形の面が3つで、残りの面がすべて四角形である多面体が存在する。
  • II. 頂点5、辺9、面6の凸でない多面体が存在する。
  • III. 頂点7、辺16、面11の凸多面体が存在する。

正しいものは:

  • A) I と II。
  • B) I と III。
  • C) II と III。
  • D) III のみ。
  • E) II のみ。

解答

I. 誤り。 すべての面の辺の数を足すと、各辺は2回数えられる:$3\cdot 3 + 4q = 2E$($q$ は 四角形の数)。しかし $9 + 4q$ は奇数で、$2E$ は偶数である。ありえない。

II. 正しい。 三角形 $ABC$ と、その上方の点 $D$、さらに上方だがより低く、角錐 $DABC$ の 内部にある点 $E$ をとる。2つの「屋根」(上は面 $DAB$、$DBC$、$DCA$、下は面 $EAB$、$EBC$、 $ECA$)にはさまれた立体は、くぼみのある多面体で、凸ではない。頂点は5つ($A$、$B$、$C$、 $D$、$E$)、辺は9本($AB$、$BC$、$CA$ と $D$、$E$ から出る6本)、面は6つである。

III. 誤り。 凸多面体では各面に少なくとも3本の辺があるので $2E \ge 3F$。ここでは $32 \ge 33$ となり成り立たない。(同値な言い方で、$E \le 3V - 6 = 15 < 16$。)オイラーの関係式 ($7 - 16 + 11 = 2$)は成り立つが、それだけでは足りない。

答え: E(II のみ)。

正答一覧に戻る


問題 3:現れない定数項

問題文

$\left(x + \dfrac{1}{x}\right)^6\left(x - \dfrac{2}{x}\right)^5$ の展開式の定数項は

  • A) $-18$。
  • B) $-12$。
  • C) $0$。
  • D) $12$。
  • E) $18$。

解答

1. 指数。 $\left(x + \frac{1}{x}\right)^6$ の項は $\binom{6}{j}x^{6 - 2j}$、 $\left(x - \frac{2}{x}\right)^5$ の項は $\binom{5}{k}(-2)^k x^{5 - 2k}$ の形である。

2. 偶奇。 積の指数は $(6 - 2j) + (5 - 2k) = 11 - 2(j + k)$ で、つねに奇数。0 にはならない。

したがって $x^0$ の項はなく、定数項は 0 である。

答え: C(0)。

正答一覧に戻る


問題 4:等式 g(x²) = f(2x² − x + 1) から言えること

問題文

$f(x)$、$g(x)$ をすべての $x \in \mathbb{R}$ で定義された実関数とする。すべての $x > 0$ で $g(x^2) = f(2x^2 - x + 1)$ が成り立つとき、次のことがいえる。

  • A) $f$ は全射でない。
  • B) $f$ は単射でない。
  • C) $g$ は全射でない。
  • D) $g$ は単射でない。
  • E) すべての $a > 0$ で $f(a) \ne g(a)$。

解答

1. 考え方。 2つの正の値 $x_1 \ne x_2$ が同じ $2x^2 - x + 1$ を与えるなら、$f$ は同じ数を受け取り

$$g(x_1^2) = f(2x_1^2 - x_1 + 1) = f(2x_2^2 - x_2 + 1) = g(x_2^2)$$

で、しかも $x_1^2 \ne x_2^2$。これで $g$ が単射でないことがわかる。

2. 値を見つける。 放物線 $2x^2 - x + 1$ の頂点は $x = \frac{1}{4}$ なので、$\frac{1}{4}$ に関して対称な値は 同じ結果を与える。たとえば $x_1 = \frac{1}{8}$、$x_2 = \frac{3}{8}$:

$$2\cdot\frac{1}{64} - \frac{1}{8} + 1 = \frac{58}{64}, \qquad 2\cdot\frac{9}{64} - \frac{3}{8} + 1 = \frac{58}{64}$$

よって $g\left(\frac{1}{64}\right) = g\left(\frac{9}{64}\right)$。

3. ほかの選択肢は保証されない。

  • $f(t) = t$ とし、$u > 0$ で $g(u) = 2u - \sqrt{u} + 1$、$u \le 0$ で $g(u) = u + \frac{7}{8}$ とする。等式は成り立ち($g(x^2) = 2x^2 - x + 1$)、$f$ は全単射(A、B は不成立)、$g$ は全射である:$u > 0$ では $\frac{7}{8}$ 以上のすべての値をとり(最小は $u = \frac{1}{16}$)、$u \le 0$ では $\frac{7}{8}$ 以下のすべての値をとる(C は不成立)。
  • $f$、$g$ がともに恒等的に0なら等式は成り立ち、すべての $a$ で $f(a) = g(a)$(E は不成立)。

答え: D($g$ は単射でない)。

正答一覧に戻る


問題 5:差として表された部分和

問題文

2つの数列 $(a_n)_{n \in \mathbb{N}}$、$(b_n)_{n \in \mathbb{N}}$ が

$$S_n = \sum_{k=1}^{n} a_k = b_{n+1} - b_1 \quad\text{(すべての } n \in \mathbb{N}\text{)}$$

を満たすとする。次の命題を考える。

  • I. $(b_n)_{n \in \mathbb{N}}$ が等比数列ならば、$(a_n)_{n \in \mathbb{N}}$ も等比数列である。
  • II. $(a_n)_{n \in \mathbb{N}}$ が等比数列ならば、$(b_n)_{n \in \mathbb{N}}$ も等比数列である。
  • III. $(a_n)_{n \in \mathbb{N}}$ が等差数列ならば、$(S_n)_{n \in \mathbb{N}}$ も等差数列である。

正しいものは:

  • A) I と II。
  • B) II と III。
  • C) I と III。
  • D) I のみ。
  • E) どれも正しくない。

解答

要となる事実。 $S_n - S_{n-1}$ をとる($S_1 = a_1 = b_2 - b_1$ も使う)と

$$a_n = b_{n+1} - b_n \quad\text{(すべての } n\text{)}$$

I. 正しい。 $b_n = b_1 q^{n-1}$ なら $a_n = b_1 q^{n-1}(q - 1)$:同じ公比 $q$ の等比数列。 ($q = 1$ なら $a_n$ は0の数列で、自明な等比数列である。)

II. 誤り。 $b_n = b_1 + S_{n-1}$ は自由に選べる値 $b_1$ に依存する。$a_n = 1$(公比1)、 $b_1 = 1$ とすると $b_n = n$ で、等比数列ではない。

III. 誤り。 $a_n$ が公差 $r \ne 0$ の等差数列なら、$S_n$ は $n$ の2次式である。たとえば $a_n = n$ なら $S_n = 1, 3, 6, 10, \dots$ で、等差数列ではない。

答え: D(I のみ)。

正答一覧に戻る


問題 6:指数方程式が2つの解をもつとき

問題文

方程式 $9^x - (3a + 4)3^x + 2a^2 + 9a - 5 = 0$ が異なる2つの実数解をもつような $a \in \mathbb{R}$ 全体の集合は

  • A) $(6, \infty)$。
  • B) $\left(\frac{1}{2}, \infty\right) \setminus \{6\}$。
  • C) $\left(\frac{3}{2}, \infty\right) \setminus \{6\}$。
  • D) $\mathbb{R} \setminus \{6\}$。
  • E) $\mathbb{R}$。

解答

1. 置き換え。 $t = 3^x > 0$ とおく($t > 0$ 1つにつき $x$ がちょうど1つ):

$$t^2 - (3a + 4)t + (2a^2 + 9a - 5) = 0$$

2. 因数分解。 $2a^2 + 9a - 5 = (2a - 1)(a + 5)$ で、$(2a - 1) + (a + 5) = 3a + 4$。よって根は

$$t = 2a - 1 \qquad\text{と}\qquad t = a + 5$$

3. $x$ が2つあるためには、正で異なる2つの根 $t$ が必要:

  • $2a - 1 > 0 \Rightarrow a > \frac{1}{2}$;
  • $a + 5 > 0 \Rightarrow a > -5$;
  • $2a - 1 \ne a + 5 \Rightarrow a \ne 6$。

答え: B($\left(\frac{1}{2}, \infty\right) \setminus \{6\}$)。

正答一覧に戻る


問題 7:2つの連立方程式を同値にする k

問題文

$m$、$n$、$k$ を実数とする。次の連立方程式を考える。

$$ \text{I}:\begin{cases} x + y + z = 1 \\ x + 2y - z = 2 \\ 2x + y + 4z = 1 \end{cases} \qquad \text{II}:\begin{cases} x + y + z = 1 \\ x + my + nz = 5 \\ kx + y - z = 3m + 2n \end{cases} $$

2つの連立方程式が同値(解の集合が等しい)であるとき、$k$ の値は

  • A) $\frac{1}{3}$。
  • B) $\frac{1}{2}$。
  • C) $1$。
  • D) $2$。
  • E) $3$。

解答

1. I を解く。 第2式から第1式を引くと $y - 2z = 1$。第3式から第1式の2倍を引くと $-y + 2z = -1$ で、同じ式である。解は無数にあり、$z = t$ とすると $y = 1 + 2t$、 $x = 1 - y - z = -3t$。

$$S_{\text{I}} = \{(-3t,\ 1 + 2t,\ t) : t \in \mathbb{R}\}$$

2. これらの解が II を満たす条件。

  • 第2式:すべての $t$ で $-3t + m(1 + 2t) + nt = 5$:$m = 5$、$-3 + 2m + n = 0$ より $n = -7$。
  • 第3式:$-3kt + (1 + 2t) - t = 3m + 2n = 15 - 14 = 1$、すなわちすべての $t$ で $(1 - 3k)t = 0$:$k = \frac{1}{3}$。

3. 解の集合が等しい。 これらの値で II の式は $x + y + z = 1$、$x + 5y - 7z = 5$、 $\frac{1}{3}x + y - z = 1$ となる。第3式は最初の2式の和の $\frac{1}{6}$ で、最初の2式は独立である: II の解も直線をなし、I と同じである ✔

答え: A($k = \frac{1}{3}$)。

正答一覧に戻る


問題 8:f が定義される最長の区間

問題文

関数

$$f(x) = \sqrt{\frac{2\sin(2x) + 2\sin(x) - 2\cos(x) - 1}{8(\cos(2x) + 1)}}$$

を考える。$I = (a, b)$ を $[-\pi, 2\pi]$ に含まれ、すべての $x \in I$ で $f(x)$ が定義される最長の 区間とする。$a + b$ の値は

  • A) $0$。
  • B) $\frac{\pi}{3}$。
  • C) $\frac{2\pi}{3}$。
  • D) $\frac{5\pi}{6}$。
  • E) $\frac{13\pi}{6}$。

解答

1. 因数分解。 $\sin 2x = 2\sin x\cos x$ より

$$4\sin x\cos x + 2\sin x - 2\cos x - 1 = (2\sin x - 1)(2\cos x + 1)$$

分母は $8(\cos 2x + 1) = 16\cos^2 x$。

2. 条件。 $f$ が定義されるのは $\cos x \ne 0$ かつ $(2\sin x - 1)(2\cos x + 1) \ge 0$ のとき。

3. 1周 $[0, 2\pi)$ での符号。

  • $2\sin x - 1 \ge 0 \iff x \in \left[\frac{\pi}{6}, \frac{5\pi}{6}\right]$;
  • $2\cos x + 1 \ge 0 \iff x \in \left[0, \frac{2\pi}{3}\right] \cup \left[\frac{4\pi}{3}, 2\pi\right)$。

積が $\ge 0$ になるのは2つの因数の符号が同じとき:

  • ともに $\ge 0$:$\left[\frac{\pi}{6}, \frac{2\pi}{3}\right]$ から $\frac{\pi}{2}$($\cos x = 0$)を除いたもの;
  • ともに $\le 0$:$\left[\frac{5\pi}{6}, \frac{4\pi}{3}\right]$。

4. $[-\pi, 2\pi]$ では。 区間は $\left[-\pi, -\frac{2\pi}{3}\right]$($\left[\frac{5\pi}{6}, \frac{4\pi}{3}\right]$ を $-2\pi$ ずらし、$-\pi$ で切ったもの)、$\left[\frac{\pi}{6}, \frac{\pi}{2}\right)$、$\left(\frac{\pi}{2}, \frac{2\pi}{3}\right]$、 $\left[\frac{5\pi}{6}, \frac{4\pi}{3}\right]$ で、長さはそれぞれ $\frac{\pi}{3}$、$\frac{\pi}{3}$、$\frac{\pi}{6}$、$\frac{\pi}{2}$。 最長は $I = \left(\frac{5\pi}{6}, \frac{4\pi}{3}\right)$。

$$a + b = \frac{5\pi}{6} + \frac{8\pi}{6} = \frac{13\pi}{6}$$

($[-\pi, 2\pi]$ の細かい格子上で定義域をコンピュータで調べて確認した:最長の連続した部分は $\approx 0.8333\pi$ から $\approx 1.3333\pi$ まで。)

答え: E($\frac{13\pi}{6}$)。

復習は正弦・余弦・正接の不等式を参照。

正答一覧に戻る


問題 9:三角形 PO₁R を回す

ITA により無効とされた問題。 公式の正答によれば、問題9は正しい選択肢がないため 無効とされた。以下に計算を示し、本当の値を求める。

問題文

中心がそれぞれ $O_1$、$O_2$ の2つの円 $C_1$、$C_2$ はどちらも半径5 cmで、点 $P$、$Q$ で交わり、 長さ6 cmの共通弦 $\overline{PQ}$ をつくる。各円と線分 $\overline{O_1O_2}$ の交点を、$C_1$ 上の $R$、 $C_2$ 上の $S$ とする。三角形 $PO_1R$ を直線 $O_1O_2$ のまわりに回転させてできる回転体の体積 (cm³)は

  • A) $\pi$。
  • B) $3\pi$。
  • C) $4\pi$。
  • D) $6\pi$。
  • E) $9\pi$。

解説

1. 図。 共通弦は $O_1O_2$ に垂直で、点 $M$ で二等分される。よって $m(\overline{PM}) = 3$ で、 直角三角形 $O_1MP$ において $m(\overline{O_1M}) = \sqrt{25 - 9} = 4$。

2. 点 $R$。 $R$ は $C_1$ 上かつ線分 $\overline{O_1O_2}$ 上にあるので $m(\overline{O_1R}) = 5$。 $M$ は $O_1$ と $R$ の間にあり、$m(\overline{MR}) = 1$。

3. 立体。 三角形 $PO_1R$ を $O_1R$ のまわりに回すと、点 $P$ は $M$ を中心とする半径 $3$ の円を 描く。立体はこの円を底面とする、高さ $4$ と $1$ の2つの円錐である:

$$V = \frac{1}{3}\pi\cdot 3^2\cdot 4 + \frac{1}{3}\pi\cdot 3^2\cdot 1 = 12\pi + 3\pi = 15\pi \text{ cm}^3$$

$15\pi$ は選択肢になく、無効の判断を裏づける。(選択肢 B の $3\pi$ は小さいほうの円錐だけの体積である。)

正答一覧に戻る


問題 10:2つの多項式の共通の根

問題文

多項式 $p(x) = x^5 - x^3 + 12x - 18$ と $q(x) = x^4 - x^3 + 5x - 3$ の共通の根の1つは

  • A) $-1 + \sqrt{2}\,i$。
  • B) $\sqrt{2} + \sqrt{2}\,i$。
  • C) $\sqrt{2} + i$。
  • D) $1 + \sqrt{2}\,i$。
  • E) $-\sqrt{2} + i$。

解答

1. ユークリッドの互除法。 共通の根はどんな組合せ $p - h\cdot q$ も0にする。計算すると

$$p - x\,q = x^4 - x^3 - 5x^2 + 15x - 18, \qquad (p - x\,q) - q = -5x^2 + 10x - 15$$

よって $p - (x + 1)q = -5(x^2 - 2x + 3)$。

2. 共通の根。 共通の根はすべて $x^2 - 2x + 3 = 0$、すなわち $x = 1 \pm \sqrt{2}\,i$ を満たす。 そして実際に共通の根である:

$$q(x) = (x^2 - 2x + 3)(x^2 + x - 1), \qquad p(x) = (x^2 - 2x + 3)(x^3 + 2x^2 - 6)$$

(展開して確かめられる。)

答え: D($1 + \sqrt{2}\,i$)。

正答一覧に戻る


問題 11:楕円と焦点を共有する双曲線

問題文

$H$ を座標平面上の双曲線で、その焦点が楕円 $E: \dfrac{x^2}{4} + y^2 = 1$ の焦点と一致するものとする。 $P$ を第1象限にある $E$ と $H$ の交点、$O$ を原点とする。$\overline{OP}$ が横軸 $O_x$ となす角 $\theta$ が $\tan(\theta) = \dfrac{\sqrt{3}}{6}$ を満たすとき、$H$ の離心率は

  • A) $\frac{2\sqrt{3}}{3}$。
  • B) $\frac{\sqrt{6}}{2}$。
  • C) $\frac{3\sqrt{3}}{4}$。
  • D) $\frac{2\sqrt{6}}{3}$。
  • E) $\frac{3\sqrt{3}}{2}$。

解答

1. 焦点。 楕円では $a = 2$、$b = 1$、$c = \sqrt{3}$:焦点は $F_1 = (-\sqrt{3}, 0)$、$F_2 = (\sqrt{3}, 0)$。

2. 点 $P$。 $\overline{OP}$ 上では $y = \frac{\sqrt{3}}{6}x$。楕円に代入すると

$$\frac{x^2}{4} + \frac{3x^2}{36} = 1 \quad\Rightarrow\quad \frac{x^2}{3} = 1 \quad\Rightarrow\quad x = \sqrt{3}, \quad y = \frac{1}{2}$$

$P = \left(\sqrt{3}, \frac{1}{2}\right)$ で、焦点 $F_2$ のちょうど真上にある。

3. 双曲線。 $|PF_1 - PF_2| = 2a_H$ で、

$$PF_2 = \frac{1}{2}, \qquad PF_1 = \sqrt{(2\sqrt{3})^2 + \frac{1}{4}} = \sqrt{\frac{49}{4}} = \frac{7}{2}$$

よって $2a_H = 3$、$a_H = \frac{3}{2}$ で、$c = \sqrt{3}$ より

$$e_H = \frac{c}{a_H} = \frac{\sqrt{3}}{3/2} = \frac{2\sqrt{3}}{3}$$

楕円で確認: $PF_1 + PF_2 = 4 = 2\cdot 2$ ✔

答え: A($\frac{2\sqrt{3}}{3}$)。

正答一覧に戻る


問題 12:約数が231個の 16m

問題文

ある数 $m \in \mathbb{N}$ に16を掛けると、正の約数が231個の数になる。次の命題を考える。

  • I. $m$ は偶数である。
  • II. $m$ は平方数である。
  • III. $16m$ は異なる素因数を3つもつ。

正しいものは:

  • A) I のみ。
  • B) II のみ。
  • C) I と II。
  • D) I と III。
  • E) II と III。

解答

1. 約数を数える。 $m = 2^e \cdot p_1^{f_1}\cdots p_r^{f_r}$($p_i$ は奇素数)と書く。すると $16m = 2^{e + 4}p_1^{f_1}\cdots p_r^{f_r}$ で、

$$(e + 5)(f_1 + 1)\cdots(f_r + 1) = 231 = 3\cdot 7\cdot 11$$

2. 帰結。

  • 因数 $e + 5$ は5以上の231の約数:$7, 11, 21, 33, 77, 231$ のいずれか。よって $e \in \{2, 6, 16, 28, 72, 226\}$ で、つねに $e \ge 2$。
  • 231 の約数はすべて奇数なので、各 $f_i + 1$ は奇数で各 $f_i$ は偶数。$e$ もどの場合も偶数である。

I. 正しい: $e \ge 2$ なので $m$ は偶数。

II. 正しい: $m$ の指数はすべて偶数。

III. 誤り: $m = 2^{226}$ なら $16m = 2^{230}$ は約数が $231$ 個で、素因数は1つだけ。

答え: C(I と II)。

正答一覧に戻る